Futuraとは?
Futura(フーツラ)は、1920年頃にドイツのPaul Renner(パウル・レナー)によって制作された欧文書体です。Futuraとは“future”を意味し、ラテン語で“未来”を意味します。読み方はフーツラのほかに、フツーラ、フツラなどがあります。
正円や多角形を組み合わせて構成する、いわゆる幾何学的(ジオメトリック)デザインの書体としては定番中の定番書体であり、人類史上名作の1つと言っていい書体です。ファッションブランドのルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON) やカルバン・クライン(Calvin Klein)、シュプリーム (Supreme)などのロゴに使われていることでも有名です。
Futuraの決定版 Futura Now の登場
2020年にはオリジナルのデザインを忠実に再現をし、一気に102のスタイルをまとめたFutura Nowが登場しました。本文用のText、見出し用のHeadlineのほか、見慣れないDisplay、Script、Outline、Inline、Shadow、Stencilなどのディスプレイ書体やスクリプト書体もFutura Nowのファミリーに加わっています。装飾書体以外にはバリアブルフォント版も用意されています。
本文用のText、見出し用のHeadlineは豊富な全9ウエイト(太さ)展開で、それぞれイタリック体やコンデンス体も用意されています。
- Thin
- ExtraLight
- Light
- Regular
- Medium
- Bold
- ExtraBold
- Black
- ExtraBlack
・・・・・
その他のディスプレイ書体やスクリプト書体はスタイルは下記の通りとなっています。
- Display … Thin / Light / Regular / Bold / ExtraBold / Black の6ウエイト
- Script … ExtraLight / Light / Regular / Bold / ExtraBold の5ウエイト
- Outline … Thin / ExtraLight / Light / Regular / Bold + Fill(塗りつぶし用)
- Inline … Regular / Boldの2ウエイト + Fill(塗りつぶし用)
- Shadow … Regular / Boldの2ウエイト + Fill(塗りつぶし用)
- Stencil … 1スタイルのみ
Futuraはナチスを彷彿させる書体ではない
かつて日本ではFuturaはナチスを彷彿させるため、ドイツやイスラエルでは使えない等といった都市伝説が広まっていました。この考えは誤りであるとし、Monotypeの小林 章さんの著書やFuturaが普通に使われていることを伝えるブログ「ここにもFutura」や、デザイナーの立野 竜一さんによる「Futuraの噂話を検証する」、麥倉聖子さんによる「ナチスと書体について その1」などが広まったことから、ようやくFuturaはナチス書体ではないことが浸透しました。
Futuraを使うには?
Futuraには様々なブランドのフォントがあり、どれを導入すべきか迷うかもしれません。今新たにFuturaを購入するなら最新のFutura Now一択ですが、Monotypeのフォントのため、MyFontsや国内のフォント販売サイトから購入する必要があります。
またAdobe Creative CloudユーザーはAdobe FontsからParaType版の「Futura PT」が利用できますが、7ウエイト(コンデンス体は4ウエイト)しかなく、イタリック体ではなく傾けただけのオブリーク体となっています。
初稿:2008.9.23