Clarendonとは?
Clarendon(クラレンドン)とは1845年に世に出たスラブセリフ体の代表格書体です。スラブセリフ体とは書体のジャンルの1つで、別名Egyptian(エジプシャン)とも呼ばれています。
セリフ体を力強く肉付けしたようなデザインで、その存在感から新聞やポスターなど見出しのデザインによく使われることが多く、ソニーやタミヤ、ホンダなどのロゴにもClarendon風の書体が使われています。採用されなかった東京オリンピック2020のロゴにも使われていましたね。どことなく古い印象があるかもしれませんが、現代においても媒体問わず頻繁に使われています。
Clarendonを使うには?
Clarendonは歴史ある書体のため、様々なブランドからClarendonフォントがリリースされて、ウエイト(太さ)やスタイルの展開もそれぞれ異なります。デザインにおいても細部の処理が微妙に異なり、どれが良いかは一概に言うことは難しいため、書体サンプルで比較をしてみて好みのClarendonを見つけるのが良いでしょう。MyFontsや国内のフォント販売サイトで購入できるほか、Adobe FontsやMonotype LETSからも利用できます。
Clarendon BT
Bitstream版のClarendonはフォント名にBTが付いており、5ウエイト+コンデンス体2つで、イタリック体は無し。
Clarendon URW
URW版のClarendonは5ウエイトのほか幅が狭いNarrow、幅が広いWideもあるが、イタリック体ではなく傾けただけのオブリーク体となっている。Adobe Fontsから利用可能。
Adobe Fontsで「Clarendon URW」を使う
Clarendon Text & Wide
Adobe FontsにあるCanada Type版のClarendonは2ウエイト+イタリック体のみ利用可能で、別パッケージになっているWideのほうは3ウエイト+ステンシル2ウエイト。OpenTypeフォント機能が充実していますが、個人的には好みのデザインではないです。
Adobe Fontsで「Clarendon Text」を使う
Clarendon LT
Linotype版のClarendonは意外にも3ウエイトのみでイタリック体も無し。
Monotype New Clarendon
Monotype版のClarendonは名前にNewが付いているのにRegularとBoldの2ウエイトのみ。意図や詳細が良く分からないClarendonです。
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他におすすめしたいスラブセリフ体
個人的にClarendonは大好きな書体の1つなのですが、各フォントブランドのラインアップが今ひとつで、改刻版のClarendonのリリースがあってもいいと思っています。代替フォントと言っていいか微妙なところですが、個人的にClarendonのイメージに近いお気に入りのスラブセリフ体を紹介いたします。
Eames (Eames Century Modern)
House Industriesの名作「Eames (Eames Century Modern)」は豊富な8ウエイト展開で、別で用意されているステンシル体や数字書体も素敵です。特にイタリック体のデザインが好きです。
Sentinel
Gothamなどの高品質書体を抱えるHoefler & Co.のスタンダードなスラブセリフ体がSentinel。6ウエイト展開でOpenTypeフォント機能や数字フォントが充実しています。