Radiant Eateries: Hong Kong Restaurant Neon Sign Drawings — UVライトで光る!香港のネオン看板のデザイン本

2023.12.28

香港の街並みにある巨大なネオン看板の誕生から衰退や製造過程の解説、実際の看板のデザイン集としてまとまった本「Radiant Eateries: Hong Kong Restaurant Neon Sign Drawings(燈虹酒綠—香港餐飲霓虹燈招牌手稿)」をクラウドファンディング(※現在は終了)で購入をしました。

私自身、香港は人生の中で3回(2012年と2015年に2回)訪れたことがある思い出の都市です。香港と言えばイメージするものはたくさんありますが、中でも道路に突き出すあの巨大なネオン看板は外せません。夜になると一斉にギラギラとした光を放ち、まさにサイバーパンクのような雰囲気を醸し出します。

2015年の香港旅行で撮影したネオン看板群

この本ではそんな香港のアイデンティティとも言えるネオン看板について、レストランやカフェなどの飲食店の歴史から紐解きながら、誕生から衰退までを解説しています。意外にも香港のネオン看板は、当時高度成長期だった日本(東京・大阪)の街中看板を参考にして発展を遂げていったそうです。事実パナソニック(当時のナショナル)は、香港のネオン看板業界にとって最重要顧客だったとか。シチズンやNECとも深い関係があったそうです。

台風などの悪天候の影響で破損してしまった際に、それを直すセカンドビジネスとしても発展し、香港のローカルビジネスとしてネオン看板は切っても切れない存在となりました。しかしながら2000年以降は法規制や老朽化に伴い、街並みから消えつつあるそうです。2015年以降香港を訪れていないので分からないのですが、民主化運動があったり、中国本土の政治的な影響も大きくなったりで、今の香港は昔とは異なるのかもしれませんね。

この本の後半は、実際に使われた、あるいは今も使われているネオン看板の貴重なデザインが多数掲載されています。面白いのは、本に付属するUVライトでデザインを照らすと蛍光インクがUVライトで光るというギミックがあること。部屋を暗くするとさらに雰囲気が出ます。

表紙もUVライトで光ります

私にとって思い出の香港。この本を買えてよかったです。ちなみに中文(繁体字)と英語のバイリンガルとなっています。英語の文章は比較的難しくないので、スラスラ読むことができました。

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追記:香港のネオン職人を題材にした映画が公開となったようです。予告編を見る限り、やはり香港の街中からネオン看板が消えてしまっているようです。淋しいです。

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