カイロ・ルクソール(エジプト)

Cairo

エジプト Egypt

2023.7.12 – 7.17

flightQatar Airways(カタール航空)

flight_takeoffHaneda - Doha - Cairo (QR812) /
flight_landCairo - Doha - Haneda (QR813)

flightEGYPTAIR(エジプト航空)

flight_takeoffCairo - Luxor (MS062) /
flight_landLuxor - Cairo (MS063)

hotelRamses Hilton (Cairo) / Steigenberger Resort Achti (Luxor)

ようやくコロナに伴う様々な制限が解除され、日本への外国人観光客も回復し始めたころ、取引先からエジプト出張のお誘いをいただいた。
ピラミッドが有名なエジプトは誰もが知っている国だ。しかしながら実際に訪れたことがある人は少ないのではないだろうか。本屋で並ぶ観光ガイドブックは数冊程度で、何年も更新がされていない。同行者にとっても初めての国なので、事前に綿密な情報収集や打ち合わせを行った。初めてのイスラム教の国、読めないアラビア文字。楽しみな反面、調べれば調べるほど不安になっていくのだった。

2023年7月現在はエジプトへの直行便が無いので(2023年9月に成田〜カイロ直行便が復活予定?)、羽田発のカタール航空の深夜便を利用してカタール・ドーハを経由してエジプト入りすることになった。
カタールは近年サッカーのワールドカップを開催国であり、オイルマネーで潤う有数のお金持ち国家だ。国営のカタール航空も同じ中東のエミレーツ航空と同様、五つ星を獲得した名高い航空会社で、安全面やサービス面に一切の不安は無かった。機内食は普通に美味しかったし、アルコール飲料も提供されていた。

約12時間のフライトで無事カタールに到着。近年新しくオープンしたばかりのお金がかかった巨大な空港に驚きながら、2時間程度でエジプト・カイロへの飛行機に乗り継ぎをする。
カイロへ向かう飛行機の窓の外は一面砂漠で、交通の要衝であるスエズ運河を眺めることができた。
約3時間のフライトを経てエジプト・カイロに付いたのは正午頃(日本時間だと翌日の夕方頃)。日本語を話せるガイドが我々の名前を掲げて待っていてくれた。ガイドのサポートのおかげで、ビザの購入や入国審査、両替をスムーズに済ませることができて本当に助かった。

到着してハイヤーですぐにカイロ郊外のギザにあるピラミッドへ向かった。ハイヤーの中で日本語を話せるガイドが、エジプトの慣習や知識を一通り説明してくださった。
まず最初の驚きは車の交通事情。エジプトには信号機がほとんどなく、どの車も思い思いのまま突っ走る。クラクションは常に響き渡り、車線もガン無視。よく見るとどの車も、パトカーやタクシーですら傷だらけ、中には大破したまま走っている車も多かった。さらに人々が横断し、バイクや馬、駱駝なども合流してくるためカオスと化していた。
いつか事故らないかヒヤヒヤしながら、空港から40分くらい走るとピラミッドが見えてきた。

周辺は観光地として道路や駐車場がしっかり整備されていた。
おお!思ったより大きい!というのが最初の感想。人間の下半身ぐらいあるブロックがはるか彼方まで積み上げられている。古代エジプト人は一体どうやってピラミッドを造り上げたのだろうか。
この謎に心を奪われてしまう人の気持ちが分かる気がした。ピラミッドの内部にも入ることができたが、日本の鍾乳洞のような感じだった。
また近くにあるスフィンクスもしっかりと見てきたが、こちらは思ったより小さかった。

寝不足のまま入国をして、40℃近い暑さでの歩き散策。体力が限界に近づいていたが、ピラミッドを一望できるレストランでエジプト料理を堪能し、20時から始まるピラミッドのライトアップショーを見た。ド派手な演出を期待していたが、日本語音声ガイドありの歴史の授業のようなショーであったため何度か睡魔に襲われた。
すべてが終わってようやくホテルへ移動。その日はゆっくり身体を休め…たかったが、明日は朝7時のフライトのため、翌日の集合時間は朝5時。ちゃんと起きれるのかどうか不安なまま目を閉じた。今思えばかなりタフなスケジュールであった。

なんとか起床し、ふたたびカイロの空港からエジプト航空で1時間程度のフライト。首都カイロからナイル川沿いに南下し、国土の中央に位置する地方都市ルクソールへ向かう。
日本で言う遺跡や歴史的建造物が残る京都+沖縄のようなリゾートのような雰囲気だが、カイロと比べると貧困層が多いとか。
ルクソールはナイル川を挟んで西側を「死者の町」、東側を「生者の町」とされており、2回に分けて観光をするのが一般的とのこと。

1日目は西側にある王家の谷、ハトシェプスト女王葬祭殿、メムノンの巨像を観光。中でも王家の谷には歴代の王たちの墓が60以上発見されていおり、有名なツタンカーメンのミイラも祀られていた。古代の建造物がとても良い状態で出土されているのには驚いた。

その日はお昼すぎには観光を切り上げ、宿泊するリゾートホテルへと向かった。プールでエジプト産のビールを堪能し3時間ほど休憩。
陽が落ちる時間帯のナイル川のグラデーションはとても美しかった。ここに来てようやく心から落ち着けた気がした。

2日目は東側にあるルクソール神殿とカルナック神殿の2つを観光。後者は欧米の観光客でごった返していたが、エジプトの夏はオフシーズンで空いているほうらしい。
どちらの神殿も全身で威厳さを感じ取ることができた。夕方には再び航路でカイロへ戻った。静かでゆっくり過ごせたルクソールとは打って変わって、カイロの夜の街はとても賑やかで騒がしかった。

最終日は有名なツタンカーメンの黄金のマスクが収蔵されているエジプト考古学博物館や、世界遺産でもあるイスラム地区を散策した。期待していたエジプト考古学博物館は、近い将来完成予定の大エジプト博物館に展示物が移転しているらしく、味気ない倉庫のような雰囲気だった。帰国のフライトは翌朝2時なのでほぼ丸一日時間があったのだが、暑さと疲れで泊まったホテルのロビーで休憩をして時間を潰した。
夜遅くにガイドが迎えに来てお別れをした。道中ガイドと運転手が突然口喧嘩を始めたが何があったんだろうか。カイロからドーハへ、ドーハから羽田へ乗り継いで、日本時間の深夜に無事帰国。馴染みのない国だったこともあり、今回ばかりは帰ってきた感があった。

もう一度エジプトへ行きたいかと言われると、1回行けばいいかなという気持ちが正直なところだが、死ぬまでに一度は訪れたい国。
色んな面で気を使って大変なので、若いうち、体力のあるうちに訪れるのがおすすめ。ただし小さい子連れのファミリー旅行はやめておいたほうがいい。

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最後にこれからエジプトへ旅をする人にアドバイス。

気候
当然のことながらアフリカ大陸にあるエジプトはとにかく暑い。特に夏期は雨がほとんど降らずカラッとしており、気温は40℃近い。
正直なところジメジメとした東京の暑さのほうがつらい。エジプトのオンシーズンは冬とのこと、気温差に気をつけて。

言語
元々エジプトはイギリスの植民地であり、観光大国なので英語は普通に通じる。
公用語であるアラビア語は難解なので、最低限英語でコミュニケーションが取れれば何とかなる。
あとなぜかお土産物屋さんには日本語を話せる人が多く、誰が入れ知恵したのか皆「ヤマモトヤマ(山本山)」と言っていた。

お金
エジプトにはエジプトポンド(E£)という独自の通貨があるが、日本の空港で両替することはできないため、現地で両替をする必要がある。
不安であれば日本では一旦アメリカドルに両替をして、現地でエジプトポンドへ両替するのが良い。(エジプトではアメリカドルが普通に使える)

チップ
意外にもエジプトにはチップの習慣があり、レストランやホテル、トイレ、荷物運びなどあらゆる場面でチップを渡す必要がある。
空港やホテルのトイレはチップが不要だった。


エジプトに限った話ではないが、日本以外の国で水道水をそのまま飲むのはNG。現地では硬水ではなく軟水を調達したほうが良い。
個人的にはSIWAというブランドの軟水がおいしかった。不安であれば日本から水のペットボトルをスーツケースに入れておくと良い。
暑いからと言って硬水をガブ飲みするとお腹を壊すので注意。
お腹が弱い人はサラダなどの生野菜や生ジュース、氷も避けたほうが良いと言われている。忘れず胃薬や整腸剤を持っていこう。

トイレ
空港、観光地やホテルには一般的な形状の便器のトイレがあるが、トイレットペーパーを流してはいけないので、近くにあるゴミ箱に捨てることになる。
ヨーロッパにもあるビデがあることもあるが、よく知らないため使わなかった。
あとお尻を洗うように短いホースが備えられているトイレもあった。ものすごい強い水が出るので服がビショビショになる。
観光地のトイレはチップが必要なので事前に用意が必要、かつ衛生面であまりきれいではないので、除菌ペーパーやウェットティッシュがあると便利。

買い物
空港やショッピングモールを除いて、ほとんどのお店の商品には値札が付いていないため、毎回交渉をして買うことになる。
1回や2回ならいいが、毎回となると交渉するだけで気疲れをする。
日本人だということが分かると、態度を軟化させて友好的に接してくることが多いが、カモにされないよう注意が必要。
露天のような店ではクレジットカードは使えないが、ホテルや空港なら問題なく使える。

イスラム教
エジプトの国教はイスラム教であるため、1日数回礼拝の時間には放送が流れ、街中や施設でお祈りをする住民の姿を見かける。
ものすごく厳格ではなさそうだが、男性も女性も肌の露出には気をつかったほうがいい。
また宗教上の理由で街中のレストランではアルコールや豚肉は一切禁止だが、ホテルのバーではアルコールをのむことができる。

服装
日焼け止めやサングラス、帽子、水は必須。通気性の良い長袖シャツや長いパンツがあると良い。
観光する上で歩く機会が多いので、履き慣れたスニーカーが良さそう。

治安
数年前のテロやアラブの春もあり、主要な観光地には警察官が常駐しているし、荷物や身体検査は何度も行われるので安心はできる。
しかし安全のためとはいえ、至るところで何度も何度もチェックがあるのでダルい。
スリや強盗などの治安の悪さは感じなかったが、アジア人が珍しく、視線を感じたり、声をかけられたりするので、怪しかったら無視することを徹底する。

交通
前述の通り、道路事情は最悪で、通りを渡ることすらは不可能なので、近場であっても安価で安全なUber(ウーバー)を積極的に使うと良い。
タクシーだと毎回金額の交渉が必要になり、ふっかけられる可能性大。Uberの運転手は基本寡黙で親切な方が多かった。

カメラ
一眼レフなどの本格的なカメラを用いて観光名所を撮影する場合は、別途カメラ券が必要とのこと。違反した場合は厳しく罰せられるらしい。
スマートフォンでの撮影は特に問題が無いが、デリケートな場所や物があるので事前にガイドに確認をしたほうが良い。