読書記録が続いていますが、今回は大好きな旅行関連のおすすめ本を紹介します。旅行の本といっても、いわゆる観光向けのガイドブックの紹介ではありません。思わず旅に出たくなってしまうようなインスピレーションをくれる6冊を紹介します。
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週末だけで70ヵ国159都市を旅したリーマントラベラーが教える自分の時間の作り方
忙しすぎる広告業界で働くリーマントラベラー東松さんが、大好きな海外旅行をする時間を捻出するための習慣や考え方などの人生観を綴った指南書です。本書は、意外にも「地球の歩き方」シリーズから派生した読み物本であるのですが、日々忙しく過ごす人が忘れていた、あるいは忘れてしまっていた“大切なこと”を改めて思い出させてくれる1冊です。
かく言う私もまだ独身で若かった頃広告業界で働いており、とにかく忙しい毎日。年に1回夏休みとして(夏の時期では無いですが)海外一人旅をするのが生き甲斐の1つでした。当サイトで公開している海外旅行記がまさにそれです。実際問題、結婚をして、関東を離れて(羽田・成田から遠ざかって)、子育てもとなると、やはり時間がない。以前のように海外旅行にはすんなり行けない現実がありますが、たまに読み返して、自分自身に喝を入れるようにしています。別に旅行でなくてもいいんです。自分が好きだったこと、諦めてしまっていませんか?
0メートルの旅(日常を引き剥がす16の物語)
オモコロのライター岡田 悠さんによる旅の短編エッセイ集です。ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんも推薦。海外編、国内編、近所編、家編の4つに分かれていますが、圧倒的に面白いのは海外編。旅行先は南極、南アフリカ、モロッコ、イスラエル、パレスチナ、イラン、ウズベキスタン、インドと普通の人は旅先として選ばない地政学的リスクや治安が不安定な国ばかり。固定観念や先入観が勝ってしまい、こういった国々は実際にどんな感じなんだろうか、生きて帰って来られるのだろうかと興味本位、まさに怖いもの見たさで読んでしまいます。
実際には様々なトラブルに巻き込まれているようですが、生きて帰ってこられれば、話のネタとしては十分。あの国であんなことがあった、こんなことがあったという武勇伝こそが海外旅行の魅力。実は私、イランへ行ってみたいです。…でもやっぱり怖くていけない。
世界の辺境案内
上述の本は実際に行ける国ですが、この「世界の辺境案内」で紹介されているスポットは、立入禁止エリア、廃墟、未承認国家など普通では行けない、危険なスポットばかりを紹介しています。なぜ人は行けないスポットにワクワクしてしまうんでしょうか。まだまだ知らない世界がたくさんあるなぁと実感します。怖すぎて写真で見るだけで満足ですね。
奇妙な孤島の物語 : 私が行ったことのない、生涯行くこともないだろう55の島
古本屋でたまたま見つけて手に取った本で、地球上に存在する様々な孤島についてのエピソードが書かれています。本のタイトルにもある通り、確かに誰も行ったことがない、生涯行くこともないであろう島々。島の地図も載っているのですが、島によっては空港があったり、ちゃんと道があったり、意外と行けるものなのかとも思ったり。本の装丁デザインが素敵だと思っていたら、松田行正さんでした。とても美しい本です。
旅客機を見れば世界が分かる(大事なことは飛行機趣味から学んだ)
著者は航空機の写真やジャーナリストとして有名なチャーリィ古庄さん。2016年の本で、少し内容が古い部分がありますが、航空会社から歴史や世界情勢、地政学を考察する興味深い1冊です。戦争が起これば領空を飛べなくなったり、定期便がなくなったり、乗り入れもできなくなったりと世界を飛び交う航空機は世界情勢の影響を第一に受けます。個人的に興味深かったのは中国と台湾の政治的関係による航空会社の配慮について。日本だけでなく欧米の航空会社も別枠で“アジア”な航空を用意していた時代があったんですね。他にも航空会社にまつわる様々なノンフィクションエッセイを楽しめます。
エジプトがすきだから。
最後は2023年にエジプト旅行をした私にとっては外せないエジプトの本。東京・六本木の本屋「文喫 六本木」でたまたま発見しました。初版が1996年とかなり昔ではあるのですが、実際にエジプトへ行った身としては、多少衛生面や治安は改善されてはいますが、ほとんど変わらず、まさにエジプトはこんな感じでした。本の帯に「Dr. 吉村作治も大笑い。」と書かれているのも納得です。旅行ガイドブックよりもリアルなエジプトを知ることができるので、エジプト旅行へ行かれる方の予習としておすすめです。