私自身の人生に影響を与えたゲームソフトを何とか5つに絞り込んで挙げてみました。今、デザイン制作の仕事をしているのも、今もこの趣味や価値観があるのも、きっとこれらゲームがあったからでこそ。
ただしあらかじめお伝えしておきますが、ここで挙げたゲームは大好きなゲームではなく、あくまで人生に影響を与えたゲームです。大好きなゲームやハマったゲームは他にもっとあります。
1. ドラゴンクエストV
実は人生で初めて自分の手でプレイしたRPGがドラゴンクエスト(ドラクエ)の5作目。シリーズの中でもストーリーが高く評価される本作ですが、父親が殺されたり、奴隷になったり、石にされたりと悲惨な人生を送りつつも、結婚という人生の一大イベントを迎え、探し求めていた伝説の勇者はなんと…という激動の人生をおくる主人公の姿に、当時小学生だった自分に強く印象付けました。
ストーリーのみならず、鳥山明氏のかわいいモンスターはノートに何度も模写したし、すぎやまこういち氏の曲は交響組曲のCDで何度も聴いて、楽譜を買ってピアノでも弾きました。大人になった今でも「序曲(=ロトのテーマ)」が流れると、「これから冒険が始まるぞ」という高揚感が湧いてきますね。ドラクエのグッズを買いまくりで文房具はスライムだらけ、ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場も買い揃え、ファンクラブにも入会してリクエストもたくさん送りました。もちろんオンラインのXを含め全シリーズプレイ済です。オンラインのXでは、自分以上に“ドラクエ愛”が強い人と出会えて楽しかったです。
一本筋が通ったストーリーの中で、日本人の感性でしか分からないような小ネタがあるのも魅力。人生で大切なことはドラクエから学んだと言っても過言ではないくらい、私の人生には、今もなおドラゴンクエストが存在しています。
2. ファイナルファンタジーVII
ドラゴンクエストと並ぶ日本を代表するRPGであるファイナルファンタジー(FF)シリーズ。初めてプレイしたのは5作目ですが、ファイナルファンタジーから1つ選ぶなら、スーパーファミコンからプレイステーションへとプラットフォームが移った7作目のファイナルファンタジーVII。年末だったかお正月に突然流れたFF7の発売予告のティザーTVCMにこの上ない衝撃を受けました。あのファイナルファンタジーが3Dになる!映像もリアルですごい!約1年後の発売が待ち切れなかったのを今でも覚えています。
そして何十年もの時を経て発売となった新時代のファイナルファンタジーVIIのREMAKE、REBIRTHもプレイしました。初代プレイステーションの粗い3Dポリゴンがここまでグラフィカルに、リアルに進化したことにとにかく感無量。思い出に浸りながらじっくりプレイしました。生きている間にプレイできてよかった。
3. クロノ・トリガー
今もなおゲーム史上伝説の一作となっているクロノ・トリガー。それもそのはず、当時のファイナルファンタジーのプロデューサーだった坂口博信氏とドラゴンクエストの堀井雄二氏に加え、キャラクターは鳥山明氏と、まさにドラゴンクエストとファイナルファンタジーが合わさったような夢のRPGでした。時代を超えて展開するストーリーに鳥山明全開な個性的なキャラクター群。当時としては珍しいマルチエンディングだったのも斬新でした。
音楽はすぎやまこういち氏ではありませんが、光田康典氏によるクロノ・トリガーの曲はとにかく名作揃いで、中でも中世時代のフィールド曲「風の憧憬」は、どこか懐かしく、しんみりとした気分になります。こんなに名作なのに、まだ本格的なリメイクはされていないですね。生きている間にできますように…
4. シムシティー
自ら市長となって人口50万人のメガロポリスを目指す、言わずと知れた都市開発シミュレーションゲームの古典的存在です。任天堂ブランドのシムシティということでパソコン版よりも遊びやすくなっていて、当時小学生だった自分でもプレイすることができました。まずは発電所を建てて、住宅地、商業地、工業地をバランスよく配置し、電線で繋げて、道路を作って…と攻略本を片手にゴールである人口50万人を目指そうと奮闘するも、なぜか47万人で止まってしまいそれ以上増えず。建設するスペースも無くなり、今でもメガロポリスを達成できずにいます。
クリアの有無はさておき、原子力発電所や火力発電所、公害や犯罪、地価、災害対策、交通渋滞、税など小学生ながらシムシティーでいろんなことを学びました。任天堂公式ガイドブックの攻略本の帯に書かれている「市長が好きなその都市も市民が好きとは限らない。」— 大人になった今、このコピーの重みを感じます。(政治家の皆さん聞いていますか!?)。ちなみに攻略本のデザインは意外にも戸田ツトム氏。ゲームの攻略以外にも、都市開発論が書かれていて読み応えがありますよ。
市長(あなた)が好きなその都市(まち)も市民(みんな)が好きとは限らない。
そして美しい音楽も忘れてはいけないですね。ヴィレッジ、タウン、シティ、キャピタル、メトロポリス、メガロポリスと人口が増えていくたびに変化していく数々の名曲。特に人口10万人以上のメトロポリスの曲がお気に入りで、小さい頃上京したときはこの曲が脳内再生されていました。
5. beatmania
beatmaniaは当時大流行した音ゲーの1つで、DJシミュレーションゲームという位置づけでした。専用コントローラを使って音楽に合わせて鍵盤やターンテーブルで演奏をしてフロアを盛り上げる…と言っても、やっていることは実際のDJとは似ても似つかないのですが、とにかく様々なジャンルのクラブミュージックを体感・体験できるユニークな音楽ゲームでした。
私自身beatmaniaにはそこまでハマってプレイはしませんでしたが(むしろダンスダンスレボリューションが好きだった)、とりわけ印象的だったのはゲームのデザイン。ユーザーインタフェースや映像、ロゴ、イラストはもちろん使われている書体(フォント)がどれも個性的で、当時フォントが大好きだった自分には刺激的でした。当時コナミの音ゲーは個性的なフォントがよく使われていました。beatmaniaのロゴ自体もemigreのBase 9 & 12ですし、文字のデザインを見るだけでも楽しかったです。
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執筆しながら懐かしい思い出にふけってしまいました。皆さんの人生の中に、影響を与えたゲームはありますか?