久々のブログ投稿になりますが、気が重くなるような話で申し訳ありません。実は今年2026年の夏、大腸がんの検診(便潜血検査)でひっかかってしまいました。検査や手術、入院の結果、がんが見つかりましたが、幸いにも非常に早い段階で、ステージ0とされる状態でした。約3ヶ月間にあれやこれやと翻弄された記録です。
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便潜血検査の結果を受けて精密検査の申し込み
毎年10年近く受けていた便潜血検査で陽性の結果となったのは初めてのことで、精密検査が必要である旨が書かれた厚みのある通知封筒が届いたときはびっくりしました。自覚症状は一切無く、便に血が混じっていたとは思えない。おそらく多くの人は「便にたまたま血が混じっただけだろう」「お酒や辛いもので腸が荒れていたのかも」「痔だったのかもしれない」などと、「どうせ大したことはないだろう」と考えてしまうと思いますが、そんなことはとっくに見透かされていて、同封されていたパンフレットには「受けない理由を探さないで」の文言が書かれていて、余計に焦ってしまいました。

私自身44歳という年齢で、おそらく同世代の多くの人は、肛門から内視鏡カメラを入れて大腸の中を調べる「大腸カメラ検査」をやったことがないはず。周りに経験者が少ないことで不安だらけでしたが、色々と調べてみると「15分くらいで終わるらしい」「鎮静剤や鎮痛剤を使うので痛みはほとんど無い」「お尻にスリットが入った検査着を着るので恥ずかしくない」「ポリープが見つかれば、その場で切除してもらえる場合もある」とのことなので、指定された町の病院に精密検査の申し込みに行きました。
2ヶ月待つことになった1回目の大腸カメラ検査
6月に町の病院へ申し込みに行きましたが、かなり混雑しているようで、最短で7月末になってしまうとのこと。検査前日は、おかゆを中心に腸にやさしい食事にすること、鎮静剤を使うので車の送迎を家族にお願いすることなど様々な細かい説明を受け、前日夜に飲む下剤と、当日の朝に飲む2リットルの下剤を渡されました。この2リットルの下剤が大腸カメラ最大の難所で、苦行を強いられることで有名。約2ヶ月の間、何もかも初めての大腸カメラの不安にさらされることになってしまいました。
7月末、これから楽しい夏が始まるというのに、ついに検査の日が来てしまいました。朝6時に起きて渡された2リットルの下剤を数回に分けて飲み始めます。事前に調べて分かっていましたが、スポーツドリンクを薄めたような味で、意外と飲みやすい。何回か飲んでいると便意を催してくるので、その都度トイレへ駆け込むをひたすら繰り返す。途中から水分しか出なくなるので、透明に近くなったら事前準備は完了。ということになるのですが、半分の1リットルぐらい飲んだあたりから、飽きてくるというか、精神的に辛くなってきました。まさに拷問のような生き地獄。空腹に耐えながら午後になって病院へ向かいます。トイレは合計15回ぐらい行き来しました。
まさかの巨大な大腸ポリープが見つかる
病院での大腸カメラ検査は流れ作業に身を任せ、15分くらいであっという間に終わりました。鎮静剤や鎮痛剤を使ったおかげもあり、何となく意識はあるものの、痛みは全く無く、遠くで話し声が聞こえるような感覚です。何も問題は見つからず、小さいポリープが見つかったものの、それを切除して精密検査も終わり。今回も自分の頭の中に「どうせ〜だろう」が出てきました。
しかし、そんな期待とは裏腹に、思いもよらない結果が待ち受けていました。医師から告げられた言葉は
「大腸の奥(上行結腸)に4cmくらいの大きいポリープが見つかりました」
え?4cm?(絶句…)
大腸カメラで見つかるポリープにはmm単位の小さいものも多い中で、4cmという大きさは、さすがに群を抜いてしまっています。「毎年便潜血検査を受けてたんですよね?」と問われ「はい。」と答えるしかなく。この大きさだと「がんの可能性も高いので、大きい病院で再診してもらう必要がある。紹介状を書きますのでお待ちください。」
え?がん?(再び絶句…)
どうしよう、どうしようとパニックになる気持ちを抑え、地域の大きい総合病院での診察日を8月中旬のお盆に決めて町の病院を後にしました。車で迎えに来てもらった妻に検査結果を報告。これまでの不安にさらなる試練が加わって家族に暗雲が立ち込めてしまう事態に。これは長くなりそうだ…
2回目の大腸カメラ検査から入院へ
総合病院の診察では主治医と実際の画像を確認しながら、1回我々のほうでも大腸カメラ検査をして状況を確認してみるということになりました。主治医曰く、大腸の上の方にできるポリープは、食べ物が素通りすることもあり、自覚症状がほとんどなく、気づきにくいとのこと。
今度は2週間後の8月末、前回と同じように前日の食事を制限して当日下剤を飲んで腸を空にして病院へ向かいます。唯一前回と違うのは、2リットルの下剤が四分の一の500ミリリットルになったこと。病院によって量や味が異なるらしいのですが、量が減ったことはかなりラッキーでした。味がかなり濃いスポーツドリンクのような感じで、飲んでトイレ、飲んでトイレの繰り返しで出すものを全て出す。
大腸カメラの検査自体も前回とほぼ同じで、一応状況確認のためとのことでしたが、もしかしたら総合病院なら大腸カメラでポリープを切除してもらえるかもしれないという淡い期待がありました。再び自分の頭の中に「どうせ〜だろう」が出てきました。どうせ大きいだけで簡単に切除できちゃうだろうと。
残念ながら都合の良い話にはなりませんでした。検査後の診察では、「EMR(内視鏡的粘膜切除術)」という方法で手術をすることになりました。大腸カメラを使い、病変の下に液体を注入して持ち上げ、スネアという金属製のワイヤーを掛けて、高周波電流で切除する方法です。お腹に傷が残ってしまうような「腹腔鏡手術」や「開腹手術」ではなかったのは不幸中の幸いです。ただし1週間の入院が必要となってしまいました。人生で1週間も入院をすることは初めて。そしてこのときも言われました。「この大きさだとがんかもしれないですね。切除したら、がんなどの病気の進行度を調べる病理検査を行います。」と。
仕事、どうしよう…。
がんが見つかったらどうしよう…。
仕事の調整と取引先への連絡
入院1週間という長さ、そして大腸ポリープを切除したとしても、その先には「がんかもしれない」という不確定な要素が残ってしまう。少し前から仕事の取引先には「実はちょっと大きい病気にかかってしまって」「健康診断でひっかかってしまって」とやんわり伝えてはいましたが、このような状況下になると、この先仕事が無くなるかもしれない、続けられなくなるかもしれない可能性もあるので、事実を伝える必要が出てきます。中途半端に伝えてしまうと、かえって不安にさせてしまったり、さらに事実を知りたくなってしまいます。
報告をすると当然のことながら驚かれましたが、「何がともあれ健康第一」「今は仕事のことを考えなくていい」など優しい言葉をいただきました。正直に言うと、その先のことは病理検査の結果が出ないと分かりませんので、自分自身を落ち着かせるために、悪い未来のことは言及しないようにしました。
時同じくして、芸能人や著名人の「大腸がん」のニュースが次々と飛び込んできて、不安がさらに増大する事態に。
入院、そして3回目の大腸カメラ手術
病院にはWi-FiがあるのでMacを持ち込みました。さすがに手術当日と翌日は作業ができませんでしたが、何かあれば可能な限り対応をしていました。新規案件は受けないようにしていたので、修正対応が中心です。
手術前日・当日の下剤は2回目と全く同じ。もはや3回目なので慣れたもんです。今回は大腸カメラで行うにしても、大きな処置になるためか、鎮静剤と睡眠剤が使われました(全身麻酔ではありませんでした)。しかしながら、術中に身体の向きを変えられたタイミングで目が覚めてしまいました。何やら専門用語を大きい声で話している!出血してる!とか言ってる。大きい痛みなどはありませんでしたが、身体は動かせない中、現場の声がすべて耳に入ってくるという恐怖に襲われました。後から聞いた話ですが、思ったよりも大腸ポリープが大きく、苦戦をしていたそうです。夕方から始まった手術は約2時間。病室に戻ってからは精神的な疲労で身体が動きませんでした。
手術日とその後の数日は絶食で点滴のみ。少しずつ流動食になり、退院日に近づくにつれて普通食になりました。とにかくお腹が空いてつらかったので、Netflixでアニメの「美味しんぼ」を観ていました。いつもより時間がゆっくり流れ、時間を持て余していたので、積ん読していた小説を読んだり、ゲームをしたりしていました。仕事の連絡が来なかったこともありますが、Macを立ち上げてこれを機に新しい技術に挑戦してみようという気持ちは一切ありませんでした。無理です、精神的に。術後の経過に問題が無かったので、予定通り退院することができました。久々に現実世界へ戻ることができて嬉しかったです。まずは一区切り、お疲れ様でしたという感じです。
病理検査の結果を待つ日々
今回は切除した大腸ポリープの病理検査の結果を待つ必要があります。タイミング悪く5連休のシルバーウィークが挟まってしまったため、結果は9月の最終日ということになりました。
退院直後は、ついに悪いモノが取れたという清々しい気分でいられたのですが、シルバーウィーク頃から徐々に病理検査の結果のこと、つまり自分が「がんかもしれない」ということが頭から離れなくなりました。どんなに楽しいことや嬉しいことがあっても、朝起きても、夜寝る前にも考えてしまいます。何事もそうですが「この先何が起こるか分からない」という不確定要素は、人を不安にさせたり、惑わせたりします。
ステージ0の大腸がん
取り乱してしまうと不安なので、当日は妻にも同席をしてもらい、病理検査の結果を聞きにいきました。順番が来て、診察室の扉を開ける瞬間は今でも忘れません。
「大腸ポリープにがんが見つかりました。」
以前調べたときに、ポリープは大きくなるほどがんが含まれる可能性が高くなると知っていたので、やはりそうだったかと思いました。
「ただし、がんは粘膜内にとどまっていましたので、今回の切除で治療は完了です。」
よかった…(感涙)
約3ヶ月間翻弄されていましたが、やっと結果が出ました。今後引き続き定期的な経過観察は行いますが、追加の治療は必要なく、今回の切除で治療は完了ということになりました。がんは見つかってしまいましたが、まさにぎりぎりセーフ。本当に運が良かったと言えます。
結果を受けて思うこと
この記事を読んだ皆さんにも、便潜血検査で陽性になったら、ぜひ精密検査を受けてほしいという気持ちは当然ありますが、何よりも「喫煙無し」「お酒は週末限定」「定期的な運動もやってる」「健康診断の結果は良好」「肥満じゃない」である自称健康体と思っていた自分の身体に、自覚症状一切無しで、がんが芽生えていたことが一番ショックでした。大腸に関しては今後も定期検診を行いますが、それ以外にもがんとなる部位はたくさんあります。他の病気やケガにかかる可能性だってある。自分かもしれないし、家族や友人だってそうなる。そういうことを気にする年代になってきてしまったんだということを改めて認識しました。これからは「病気にならない」は難しくなってくるので、「病気とどう付き合っていくか」になります。
この先、仕事はもちろん頑張りたいけど、趣味など好きなことをする時間も大事。家族や友人と過ごす時間を大切にしていきたい。そう思えたことが何よりも良かったと思っています。
そして最後に、長い間振り回してしまった家族や理解ある仕事の取引先には感謝しかありません。本当にご迷惑をおかけしました。
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余談ですが、今年のお正月に近所の神社で引いたおみくじ。大吉でしたが、書かれている内容が気になったので、持ち帰って保管していました。今思えば、その通りだったかもしれません。


長い文章でしたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
なお、仮に私と同じような状況の方がいらっしゃったとしても、病変の大きさや状態、病理検査の結果などによって対応は異なります。ポリープがなぜできるのか?ということに関しても、様々な理由があります。この記事はあくまで私自身の体験談ですので、気になることがあれば自己判断せず、医師に相談するようお願いいたします。
